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生活の核となる居室は、気密性と断熱性を高めた小さな気積で構成され、最小限のエネルギーで熱環境を維持している。これらの小さな部屋群が、大きな気積をもつ屋内庭と結びつくことで、空間全体は季節や気候に応じて伸縮するような可変性を持つ。この住宅では、温熱環境の厳しい季節には小さく暮らし、春や秋にはサッシを大きく開け放ち、屋内庭や外部とつながりながら伸びやかに暮らすといった、「安定と不安定の往復運動」そのものが、空間の構成原理となっている。
これは、単に性能によって快適性を固定するのではなく、日々の調整や感覚の立ち上がりを通じて暮らしを整えていくという、変化を受け入れながら持続する安定のあり方を探る建築の試みである。
屋内庭のある家 / 2023 / 鳥取県 / 専用住宅 / 新築 / 木造

安定/不安定 ゆらぎのなかに建築の構えを据える。
雨や雪の多い山陰地方においては、外部庭の有用性が乏しく、多くの時間を過ごす室内の快適性が重視される。そのため、建築全体の室温を均質に保つことが求められ、高気密・高断熱といった性能による「安定の獲得」が図られてきた。しかし一方で、こうした技術的安定性の追求が、建築を外部環境から切り離し、地域風土との関係性を希薄にしてしまうという危うさも内包している。
この住宅では、そうした状況への応答として、安定と不安定、そのゆらぎのなかに建築の構えを据えることを試みた。たとえば庭は、半透明の屋根をかけることで屋内へと取り込み、雨や雪の影響を和らげつつも、外部性を残した中間的な領域として再構成されている。また、

キノシタヒロシ建築設計事務所│Hiroshi Kinoshita and Associates

〒680-0037 鳥取市元町121 定有堂ビル3階│3F Teiyudo Building, 121 Motomachi, Tottori City, Japan 680-0037

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